フィル・アイヴィーはアメリカでプレイできない?
エッジソーティングは不正、敗訴したアイヴィー
ロンドンとアトランティックシティの2つのカジノで、Phil Ivey/フィル・アイヴィーはエッジソーティング(カードの不規則な柄からカードを識別する)のテクニックを使ってバカラで多額の勝利金を得たものの、両カジノから訴えられていたことをご存知の方は多いはず。
エッジソーティングを使って勝利したことは、アイヴィー本人も認めています。アイヴィーが勝利した時、彼は一人ではなく、エッジソーティングのプロ、Cheung “Kelly” Yin Sun/チェウン・ケリー・イン・サンという友人が同行していましたしね。
不正とは考えずエッジソーティングを行なったアイヴィー。この2つの裁判で、アイヴィーはどちらも敗訴しています。
最近アイヴィーは、アメリカのポーカートーナメントで姿を見ていないと思いませんか? 昨年のWSOP2019には参加していましたが、引退モード? と思わせるくらい、彼の名前を聞くことは減りましたね。実はこんな理由があるからなのです。
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事の発端は2012年ロンドン
アイヴィーは祖父からポーカーを学んだそう。若くして彼は偽の身分証明書を手に入れ、自宅から車で2時間かけてアトランティックシティへ出向き、ポーカーをプレイしていたそうです。その甲斐あってか、アイヴィーのポーカースキルは皆が評価するところ。
アイヴィーは今日現在、世界ランキング11位のポーカー賞金王。$30,311,759(32億円以上)もの賞金を獲得していますが、この額には定期的に開催されるイベント(毎日、毎週、毎月開催されるイベント)の結果は含まれていないので、それらを含むと更に多くの賞金を獲得しています。
そんなアイヴィーはギャンブルもお好き。2012年、ロンドンのクロックフォードカジノへ2日間訪問し、£7.7ミリオン(約10億7千万円)を稼ぎ、アトランティックシティのボルガータカジノへも4回の訪問し、ほぼ同額を稼ぎました。バカラは運のゲームであって、ポーカーのようなスキルゲームではありません。運が良かったのかと言うとそうではなく、この勝利はエッジソーティングというテクニックを使った結果です。
クロックフォードはアイヴィーがエッジソーティングを使って勝利したとし、支払いを拒否。そのことを知ったボルガータは訪問時のアイヴィーのプレイを調査し、エッジソーティングが行われていたことが判明したわけです。
エッジソーティングの意見は分かれる

クロックフォードの件では2回の裁判となりましたが、裁判官の中にはアイヴィーに味方する者もいるし、多くのギャンブラーや法律評論家もアイヴィーを支持している人は多くいます。しかし裁判の最終的な判決は「エッジソーティングは不正」ということになった訳です。
アイヴィーが敗訴したことで、クロックフォードは勝利金の支払いをする必要はなく、アイヴィーが£7.7ミリオンを手にすることはありませんでした。カジノはアイヴィーの賭け金は返金したそうですけどね。ボルガータはすでにアイヴィーに勝利金を支払っていたので、勝利金の返還を求めました。
ワタクシはアイヴィー側の支持者です。エッジソーティングが可能なカードを使っていたカジノ側に、落ち度があると考えます。カードが不良品かどうかを確認するのは、カジノ側の責任では?
実はカジノは、これらのカードを製造したGemaco社も訴えてもいます。しかしGemaco社はボルガータ社との契約書から「ゲームの損失に起因する責任は負わない」という部分を引用しました。
結果、米国地方裁判所のヒルマン判事は判決の中で、Gemaco社は使用されたカードの価格に対して責任を負うと述べました。Gemaco社はボルガータ社にカードの使用を強要したわけではなく、Gemaco社がアイヴィーにカードの使用を勧めたわけでもないことから、この件での金銭的責任を負担させる申し出を一切断りました。カードが「不良品」だったことに対してのカード代金、$27は返金するようGemaco社は言われたそうです。
カジノはアイヴィー側の条件を呑んだ
アイヴィーの敗訴についてワタクシが腑に落ちないことがもう一つあります。それは、アイヴィーと友人のケリーがバカラテーブルでプレイする際、ケリーがエッジソーティングを完璧に行えるよう、4つの条件を満たすよう要求していたのです。
- 第一に、ケリーの母国語である広東語を話すディーラーであること。
- 第二に、カードは特定の方法で整理されシャッフルされること。
- 第三に、ミニバカラ(テーブルが小さく最小ベットが低い、絞りのないバカラ)をプレイすること。
- 第四に、デッキはどの時点でも変更されないこと。
この条件をカジノは呑んでいます。カジノ側としては、アイヴィーのようなハイローラーを逃したくなかったのしょう、この条件を呑んでいます。ワタクシならこんな条件を提示された時点で、怪しいと思いますけどね。1と3はハイローラーのために条件を呑むとしても、2と4は認めないでしょうね。

アイヴィーの主張は、「カードには一切触れていないし、公平にプレイし、正当な戦略でクロックフォードの過失を利用し勝利した。カジノは私の人格を傷つけた」としています。しかしもう判決は下されましたからね、どうこう言っても始まらないのですが。
ワタクシがエッジソーティングをどう考えようと、多くのギャンブラーがどう考えようと、裁判になると不利なようです。
エッジソーティングは不正とみなされます。みなさん覚えておきましょう。w
勝利金の返還を求められたものの・・・
2017年の判決を受け、すでに勝利金を支払っていたボルガータの弁護士はニュージャージー州のアイヴィーの資産を追跡してきました。しかし、ボルガータはアイヴィーの米国の銀行口座が空っぽであることを知りました。アイヴィーはすでに資産を海外に移した模様。抜かりないなぁ、アイヴィー!
そして2017年、アイヴィーは欧米の主要な国際トーナメントをすべてスキップしています。その代わりにアジア、特に香港を中心に参加。
その後、連邦判事はアイヴィーが多額の資産を所有していると言われているネバダ州で、ボルガータがアイヴィーの資産を追跡することを許可しました。アイヴィーの純資産は明らかになっていませんが、ネバダ州での彼の保有資産は推定では1億ドル(100億円以上)以上の価値があるとされています。

昨年アイヴィーはWSOPに参加し、そこで得た賞金についてボルガータの弁護士は、ネバダ州のアイビーの資産を押収する法的権限を持っていることをWSOPに通知。そしてアイビーの弁護士は、執行令状を取得する際に適切な手続きを踏まなかったと反撃。
アイビーのWSOP賞金は小切手で米国連邦保安官に送られ保管されていましたが、その後どうなったのかは不明です。まだ保管されている可能性が高いですね。
米国でのトーナメントであまりアイヴィーの姿を見かけないのは、こんな理由があったようです。参加できないのではなく、出来るけれど『賞金を獲得してもボルガータに差し押さえられるから参加したくない!』ってことなのでしょうね。
👇 詳しくはこちら ボルガータがアイビーのWSOP賞金を差押さえ?!
アイヴィーの反撃開始?!
アイヴィーのボルガータに対する反撃が始まりそうな予感。というのは今年に入り、アイヴィーの弁護士が米国控訴裁判所に準備書面を提出し、控訴を続行するよう要求したという情報があります。
800ページに及ぶとされるこの書類には、
- ボルガータ社に対する4つの主張とそれをボルガータが承諾したこと
- ボルガータのケースはアイヴィーらがプレイした日から6ヶ月が経過していたため時効だったはず
- ケリーとアイヴィーはカードに触れておらず、カードに印をつけたわけではない
- ニュージャージー州の規制当局は、アイヴィーらが公平に勝ったことに同意している
- エッジソーティングはニュージャージー州の賭博法に反していなかった
ことが記されているよう。
さてここで、もしポーカートーナメント中にエッジソーティングができたとしたら? エッジソーティングまではいかなくても、マーキングされたカードでそのカードが何かわかるとしたら? それで勝った場合、プレイヤーの不正となるの? 大きなトーナメントにも関わらず、使用されるカードの質の悪さに不満を持つプレイヤーは多くいます。ワタクシはこの場合、主催者に責任があると思いますけどね。それと同じで、アイヴィーの場合はカジノに責任があると考えるワタクシは少数派?
さて、このアイヴィーの反撃の結末はいかに?! 興味のあるところです。
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